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「ネガワット取引」が2017年4月に始まる、節電した電力を100kW単位で

2016年4月5日

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小売全面自由化に続く電力システム改革の取り組みとして、需要家が節電した電力量(ネガワット)を小売電気事業者や送配電事業者が需給調整に利用できるようになる。政府はネガワットを取引するためのルールやガイドラインを整備して、ガスの小売全面自由化と同時に2017年4月に開始する。

 

これまでも地域によっては電力の需要が供給力を上回りそうな場合に備えて、需要家に節電を求める「デマンドレスポンス」を実施するケースが何度かあった。節電に協力した需要家には電気料金を割り引くなどの対価が支払われる(図1)。

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図1 従来型のデマンドレスポンスの仕組み。出典:資源エネルギー庁

ただし最近は企業や家庭の節電対策が進んだために、供給力が不足するような状況は発生せず、デマンドレスポンスの必要性は薄れてきた。同じような節電による電力を融通する仕組みに「ネガワット取引」がある(図2)。従来のデマンドレスポンスと比べた大きな違いは、小売電気事業者が電力の調達方法の1つとしてネガワット取引を利用できることだ。

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図2 ネガワット取引の仕組み。出典:資源エネルギー庁

政府はネガワット取引のルールやガイドラインを2016年度中に整備して、2017年4月1日からネガワット取引を拡大する。需要家が節電した電力を専門の「ネガワット事業者」が集約して、小売電気事業者に供給する仕組みになる(図3)。もし節電した電力量(ネガワット)が計画値と比べて少ない場合でも、地域の送配電事業者(電力会社の送配電部門)が不足分(インバランス)の電力を補充する義務を負う。

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図3 ネガワット取引を利用した電力の需給調整。出典:資源エネルギー庁

電力の市場に新規に参入する小売電気事業者にとって、当面の大きな課題は需要に合わせて供給力を確保することにある。ネガワット取引が増えれば電力の調達先が広がる。需要家には節電した分の対価が支払われるため、電力の使用量を削減するインセンティブが働く(図4)。

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図4 電力の需要を制御する2通りの方法(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

ネガワット取引は小売電気事業者と需要家の双方にメリットがあるうえに、国全体で節電を推進する有効な手段になる。残る問題はネガワット取引を適切な方法で拡大するためのルールづくりである。

 

直近5日のうち4日間の平均値を採用

ネガワット取引に必要なルールの中で最も重要な点は、取引の対象になる節電量の算出方法だ。個々の需要家が通常の状態で使用する電力の大きさを時間帯ごとに「ベースライン」として設定する(図5)。ベースラインの電力と節電後の電力の差を合計したものが節電量になる。

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図5 節電量を算出するための基準値「ベースライン」の設定イメージ。DR:デマンドレスポンス。MW:メガワット。出典:資源エネルギー庁

とはいってもベースラインを適切に設定することは簡単ではない。過大に設定すれば節電量が実態よりも大きくなり、逆に過小だと節電量が小さくなって取引できる電力が少なくなってしまう。政府は標準的なベースラインの設定方法として「High 4 of 5」を採用する方針だ(図6)。直近5日のうち需要の大きい4日分の平均値をベースラインに設定する方法である。

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図6 ベースラインの設定方法(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

ただし需要家によっては電力の使用パターンが独特なために「High 4 of 5」が適切な算定方法にならない場合も考えられる。そこでベースラインを事前にテストして、誤差が大きければ代替のベースラインを採用する。誤差が20%を超える場合には、取引の直前に計測した数値をもとに設定する方法などに切り替える(図7)。

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図7 最適なベースラインを決めるためのテスト(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

こうして最適なベースラインを設定したうえで、実際にネガワット取引の対象になる電力量はスマートメーターを使って30分単位で計測する。取引の最小単位は100kW(キロワット)になる見込みだ。30分ごとの電力量に換算すると50kWh(キロワット時)を最小単位として取引を実行する。

ベースラインの設定方法のほかにも、事前に決めておかなくてはならない重要なルールが2つある。1つは送配電事業者が不足分の電力を補充した場合に徴収するインバランス料金の計算方法だ。もう1つはネガワット取引が発生すると売上が減少する小売電気事業者が出てくるため、その売上減少分の補てんルールを決める必要がある。

政府は複数の委員会を通じて2016年6月中にルールの詳細と全体の実施方針をまとめる予定だ。それをもとに必要なシステムの整備などを7月から進めて、2017年4月1日には新しい仕組みでネガワット取引を実行できるようにする。