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2017年4月から変わる固定価格買取制度、知っておくべき改正ポイント

2016年4月4日

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再生可能エネルギーの固定価格買取制度を定めた法律が2017年4月1日に改正される予定だ。買取価格の決定に入札方式や複数年度方式を導入して制度を抜本的に変更する。発電設備の認定基準の項目も大幅に増やして、太陽光発電の規制を強化するなど、事業者に与える影響は大きい。

 

「再エネ特措法」(正式名称:電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)は固定価格買取制度を開始するために、2012年7月に施行した新しい法律だ。太陽光を中心に再生可能エネルギーを拡大するうえで重要な役割を果たす一方、買取価格の決定方法や発電設備の認定制度などに課題も見えてきた。すでに政府は改正案を国会に提出済みで、成立すれば2017年4月1日に施行する。

改正にあたって新設の項目を5つ加えたほか、従来の規定を変更した項目が6つある(図1)。その中で特に重要な改正ポイントは2つの分野に絞られる。1つは発電した電力を買い取るための価格決定方法を抜本的に変更する。もう1つは発電設備の認定制度を見直して、より適正な状態で発電設備を安全に運転できるようにする点だ。

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図1 「再エネ特措法」の改正ポイント(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

これまで買取価格は再生可能エネルギーの種類と規模によって年度ごとに決定してきた。発電設備が認定を受けた時点で買取価格を固定して、運転開始後は買取期間(10~20年間)を通じて同じ価格で電力を買い取る方式だ。新たに2017年度から認定を受ける発電設備に対しては、種類と規模別に中長期の価格目標を設定したうえで、3通りの価格決定方法を適用する(図2)。

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図2 買取価格決定方式の見直し案(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

発電能力が10kW(キロワット)以上になる事業用の太陽光の場合には、単価が最も安い産業用の電気料金の水準をもとに価格目標を設定する案が有力だ(図3)。買取価格が目標に近つけば、電力の利用者が負担する賦課金は少なくなって、再生可能エネルギーの導入メリットが高まる。現在のところ産業用の電気料金の単価は15円前後である。2016年度の買取価格24円との差は9円で、おそらく3~5年程度で達成できる。

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図3 中長期的な買取価格の目標設定(事業用太陽光の場合)。出典:資源エネルギー庁

住宅用の太陽光は25円前後まで低減

加えて事業用の太陽光では入札制度を実施することも改正案に盛り込まれた。政府が太陽光発電の買取量や上限価格などの条件を決めて、事業者は希望する買取価格と発電設備の出力を入札する仕組みだ(図4)。安い買取価格を提示した事業者から落札して、買取制度の認定を受けることができる。

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図4 入札制度の実施方法(画像をクリックすると拡大)。FIT:Feed-In-Tariff(固定価格買取制度)。出典:資源エネルギー庁

当初は発電能力の大きい設備だけを対象に入札制度を導入する予定だ。対象になる発電設備の規模も入札ごとに決める。当面のあいだはメガソーラーに相当する1MW(メガワット)か2MW以上を対象に入札を実施する可能性が大きい。入札は地域別ではなく全国一律で、年に1~3回程度を想定している。

一方で住宅用の太陽光(出力10kW未満)に対しては、買取価格の低減スケジュールをあらかじめ提示する。目標に設定する価格の基準は家庭用の電気料金で、現在の単価は25円前後である。政府の方針は改正から3年目の2019年度をめどに目標の価格まで引き下げていく。電力の利用者が負担する賦課金を抑制しながら、発電した電力の自家消費を促進する狙いだ。

このほかの風力・地熱・中小水力・バイオマスの買取価格は数年先まで決定する方式に変わる。発電事業の検討開始から運転開始までのリードタイムが太陽光よりも長くかかるため、2~5年先までの買取価格を決定して事業化を判断しやすくする。

たとえば3年先までの買取価格を決定する場合には、2017~2019年度分を2016年度内に決定する(図5)。その後は1年ずつ更新していく。年度ごとの買取価格が高くなることもあれば安くなることもある。

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図5 数年先の買取価格を決定する方法(3年先まで決定する場合)。出典:資源エネルギー庁

ただし風力だけは住宅用の太陽光と同様に買取価格を低減する方針だ。風力の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が従来の買取価格で想定している20%から25%に改善することを前提に、それに見合った価格目標を設定して低減スケジュールを示す。現在の買取価格から8割程度の水準まで引き下げていく。

発電設備の認定基準に9項目が加わる

買取価格の決定方法が抜本的に変わるのと合わせて、発電設備の認定制度が変わることも事業者にとっては重要な改正点だ。第1に認定に必要な基準項目が大幅に増える。全部で9項目の新しい基準がある(図6)。

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図6 認定基準の改正案(画像をクリックすると現行の基準も表示)。出典:資源エネルギー庁

従来は発電設備に対する基準だけだったが、改正後は事業内容の適切性や事業実施の確実性についても基準に合致しているかどうかを確認する。たとえば土地の利用に関する法令に従うことなどが認定基準に加わる。

実際に発電事業者が法令に違反していないかどうかを広く確認できるように、買取制度の認定を申請した時の情報を公開する仕組みがある。すでに2016年4月1日から認定情報の提供システムが稼働していて、該当する自治体や関係省庁が認定情報を閲覧できるようになっている(図7)。

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図7 認定情報の提供システム。出典:資源エネルギー庁

この情報をもとに法令に違反する設備が見つかった場合には、関係省庁や自治体が事業者に対して指導・命令を出す。さらに経済産業省が関係省庁や自治体から情報提供を受けて、事業者に改善命令を出したうえで発電設備の認定を取り消すことができる(図8)。

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図8 法令違反に対する措置。出典:資源エネルギー庁

特に発電設備の安全性が問題になる事業用の太陽光に対しては、法改正によって設置工事の前と後で規制を強化する。工事前の段階では、発電設備が技術基準に適合していることを確認する「使用前自己確認」の対象を従来の2MW以上から500kW以上に拡大する予定だ(図9)。

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図9 太陽光発電設備の規制強化(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

さらに工事の完了後に事故が発生した場合には、経済産業省に報告が義務づけられる。太陽光パネルが発電所の外に飛散したら、家屋などの損壊が発生しなくても報告しなくてはならない。事故報告の義務は現行の法律では500kW以上が対象だが、改正後は50kW以上まで広がる。

 

買取義務は送配電事業者に一本化

事業者にとって気になることの1つは、すでに認定を受けた発電設備が改正後の対象になるかどうかである。施行日の2017年4月1日までに電力会社と接続契約を締結していれば、買取価格を含めて認定状態は継続する。施行日までに接続契約を締結できないと、認定が失効してしまう(図10)。ただし認定から施行日までの期間が9カ月に満たない場合などは例外になる。

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図10 認定制度の経過措置(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

かりに認定を継続できた場合でも安心できない。長期にわたって運転を開始しない発電設備に対して認定を取り消すルールも追加する。発電設備の種類や規模に応じて、認定取得から運転開始までの期限を設ける予定だ。たとえば事業用の太陽光で1MW以上の発電設備は3年を期限に設定する案が考えられる。

このほかに事業者が注意すべき改正点は、電力を買い取る義務が従来の小売電気事業者から送配電事業者へ移行することである。固定価格買取制度では買取義務と接続義務が決められていて、それぞれ事業者間で契約を締結する必要がある。改正後は2つの義務を送配電事業者が担うことになる(図11)。

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図11 買取義務と接続義務の改正案(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

送配電事業者は電力会社の送配電部門だけに認められるため、地域ごとに買取義務と接続義務が電力会社に一本化される。そのうえで買い取った電力を小売電気事業者に供給する義務を負う。供給方法は2通りある(図12)。

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図12 送配電事業者が買い取った電力の供給方法。出典:資源エネルギー庁

1つ目の方法では送配電事業者が卸電力取引市場に電力を引き渡して、小売電気事業者が自由に買い付けることができる。2つ目は発電事業者と小売電気事業者が個別契約を締結する場合で、送配電事業者は買い取った電力を契約対象の小売電気事業者に限定して供給しなくてはならない。

以上のように固定価格買取制度の広い範囲にわたって、新しいルールが2017年度から適用される。改正点の多くは発電事業者にとって従来よりも厳しい内容だ。施行までの猶予期間は1年しかない。そのあいだに改正の内容を十分に把握して準備を進めておく必要がある。